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モネの睡蓮の池のモデル、本物はどこ?フランスと日本の名所を解説

クロード・モネの代表作『睡蓮』。その幻想的な水面のきらめきや、浮かぶ花の儚い美しさに心を奪われた方も多いのではないでしょうか。「この絵画のモデルとなった睡蓮の池の本物は、一体どこにあるのだろう?」と、一度は考えたことがあるかもしれません。

この記事では、そんなあなたの疑問にお答えします。モネが愛した睡蓮の池のモデルは、彼が晩年を過ごした自宅の庭に実在します。その場所はフランス、パリ郊外のジヴェルニーの庭です。ここでは、睡蓮の池と日本の橋が織りなす美しい風景を実際に見ることができます。

さらに、この記事では本家フランスのモネの家への訪問を考えている方のために、ジヴェルニー モネの家 予約の方法やアクセスについても詳しく解説します。また、日本国内でモネの世界観に浸れる場所として、睡蓮の池をテーマにした日本の美術館や、SNSで話題の岐阜のモネの池の見頃やアクセス、そして高知県にある公式のモネの庭へのアクセス情報まで、網羅的にご紹介します。

この記事で分かること
  • 本物の「モネの睡蓮の池」の所在地と、その詳細
  • フランス「モネの家と庭園」の見どころやベストシーズン
  • 日本でモネの世界観を体験できるスポット(岐阜・高知)の特徴
  • 各スポットへのアクセス方法やチケット予約などの実用情報
目次

モネの睡蓮の池のモデル、本物はフランスに実在

モネの睡蓮の池のモデル、本物はフランスに実在
画像出典:クロード・モネ「睡蓮の池」(1899年、ナショナル・ギャラリー、ロンドン)。出典:Wikimedia Commons
  • モネの家はフランスのパリ郊外にある
  • 美しいジヴェルニーの庭を訪ねて
  • 睡蓮の池のモデルはモネの自宅の庭
  • 睡蓮の池と日本の橋が織りなす風景
  • ジヴェルニーのモネの家は予約がおすすめ

モネの家はフランスのパリ郊外にある

美しいジヴェルニーの庭を訪ねて
モネの家

クロード・モネが描いた『睡蓮』の池、その本物の風景は、フランスのパリから西へ約75km離れたノルマンディー地方のジヴェルニーという村に存在します。パリのサン・ラザール駅から電車に乗れば約1時間で最寄り駅に着く、日帰りでも十分に訪れることが可能な場所です。

モネがこの地に移り住んだのは43歳の時でした。列車の車窓から見えたジヴェルニーののどかで美しい風景に心を奪われたのがきっかけだったと言われています。彼はここで土地と家を購入し、亡くなるまでの約43年間を過ごしながら、数々の傑作を生み出しました。

現在のジヴェルニーは、世界中からモネファンが訪れる人気の観光地でありながら、今なお静かで穏やかな田園風景が広がる美しい村です。パリの喧騒から離れて、画家が愛した穏やかな時間を体感できる、魅力あふれる場所となっています。

美しいジヴェルニーの庭を訪ねて

モネの家の敷地には、彼が情熱を注いで作り上げた2つの異なるスタイルの庭園が広がっています。これらは単なる庭ではなく、モネ自身が絵を描くためのモチーフとして、光や色彩を計算し尽くして設計した芸術作品です。

クロ・ノルマン(花の庭)

クロ・ノルマン(花の庭)
モネの庭 庭園の花々とアーチ

一つは、邸宅の目の前に広がる「クロ・ノルマン」と呼ばれる庭です。日本語では「ノルマンディーの農園」といった意味合いを持ちます。一見すると色とりどりの花が自由に咲き乱れているように見えますが、実はモネによって緻密に設計されています。春から秋にかけて、チューリップやアイリス、バラ、ヒマワリといった季節の花々が次々と咲き誇り、訪れるたびに異なる色彩のパレットを見せてくれます。

ウォーター・ガーデン(水の庭)

ウォーター・ガーデン(水の庭)
モネの庭 睡蓮の池

そしてもう一つが、有名な『睡蓮』の舞台となった「ウォーター・ガーデン(水の庭)」です。花の庭とは道路を挟んだ向かい側にあり、地下通路を通って向かいます。こちらはセーヌ川の支流から水を引き込んで造られた池が中心で、柳や竹林が静かな影を落とす、東洋的な雰囲気を持つ空間です。鮮やかな花の庭とは対照的に、緑と水が織りなす落ち着いた美しさを感じられます。

睡蓮の池のモデルはモネの自宅の庭

多くの人が憧れる『睡蓮』の連作。その絵画のモデルとなったのは、まさしくモネが暮らした自宅の庭にある「ウォーター・ガーデン」の池です。彼はジヴェルニーに移り住んでから約10年後、家の前の土地を買い足してこの池を造りました。

特筆すべきは、モネが単に庭師に任せるのではなく、自ら庭の設計に深く関わった点です。彼は園芸に関する知識が非常に豊富で、世界中から珍しい植物の種を取り寄せては、庭で育てることに情熱を燃やしました。池に浮かぶ睡蓮も、フランス原産のものだけでなく、エジプトや南米から輸入した熱帯性のものまで植えられていたと言われます。

この池は、モネにとって単なる癒やしの空間ではなく、光や大気の変化を捉えるための巨大なキャンバスそのものでした。彼は時間や天候によって刻一刻と表情を変える水面を、生涯をかけて追い求め続けたのです。

睡蓮の池と日本の橋が織りなす風景

睡蓮の池と日本の橋が織りなす風景
睡蓮の池 太鼓橋

「ウォーター・ガーデン」を象徴する風景といえば、池に架かる緑色の太鼓橋を思い浮かべる方が多いでしょう。この橋は「ル・ポン・ジャポネ(日本の橋)」と呼ばれ、モネの日本美術への深い関心を示しています。

19世紀後半のヨーロッパでは、日本の浮世絵などが大きな注目を集める「ジャポニスム」という現象が起きました。モネもその影響を強く受けた画家の一人で、葛飾北斎や歌川広重といった絵師の浮世絵を数多く収集していました。彼の邸宅内には、壁一面に浮世絵コレクションが飾られています。

この太鼓橋は、歌川広重の『名所江戸百景 亀戸天神境内』に描かれた橋から着想を得たと考えられています。池の周りに植えられた柳や藤、菖蒲なども含め、「ウォーター・ガーデン」はモネが西洋の自然観と日本の美意識を融合させて創り出した、独創的な芸術空間であると言えます。

ジヴェルニーのモネの家は予約がおすすめ

モネの家と庭園を訪れるには、いくつかの注意点があります。特にハイシーズンは世界中から観光客が訪れるため、事前の準備が快適な鑑賞の鍵となります。

開園期間と休園期間

まず最も大切なのは、開園期間です。モネの家と庭園は一年中開いているわけではなく、毎年11月初旬から翌年の3月末までは冬季休園となります。訪問を計画する際は、必ず公式サイトで最新の開園日(通常は4月1日~11月1日)を確認してください。

チケットの事前購入

ハイシーズンや週末はチケット購入窓口が長蛇の列になることも少なくありません。限られた旅行時間を有効に使うためにも、公式サイトから日時指定のEチケットを事前に購入しておくことを強くおすすめします。事前予約者専用の入口からスムーズに入場できるため、待ち時間を大幅に短縮可能です。

公式サイトのチケット予約ページはこちら

パリからのアクセス方法

パリからジヴェルニーへの主なアクセス方法は以下の通りです。

アクセス方法所要時間(目安)費用(目安)メリットデメリット
鉄道+バス約1時間半往復約30ユーロ~費用を抑えられる、個人のペースで動ける乗り換えが必要、バスの本数が少ない
オプショナルツアー半日~1日70ユーロ~往復送迎付きで楽、ガイドの解説がある費用が高い、滞在時間が限られる
レンタカー約1時間~1時間半料金+高速代自由度が高い、周辺観光も楽しめる運転に慣れが必要、駐車場の確保

鉄道を利用する場合、パリのサン・ラザール駅からヴェルノン(Vernon)駅まで行き、そこからジヴェルニー行きのシャトルバスに乗り換えます。バスは電車の到着時刻に合わせて運行していますが、本数が限られているため、事前に時刻表を確認しておきましょう。

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